ジャマイカ旅行記15 - セブンマイルビーチという美しい砂浜を何の目的もなく、ただただ歩いた -

ネグリルへ到着した。


ちょうど夕日が沈む時間に合わせての到着したのだが、モンテゴベイでスコールを発生させていた雨雲は、僕たちの車の移動にあわせてネグリルへ移動したらしく、肝心の夕日は雲の中だった。残念だけれど仕方のないことだ。

 

タクシーのピーターとは10時にKUYABAというBARで待ち合わせすることだけを決め、それまで適当に時間をつぶしてもらうことにした。


僕たちは、セブンマイルビーチという美しい砂浜を何の目的もなく、ただただ歩いた。


ビーチ沿いには、民芸品を売っているお土産屋、レストラン、BAR、ダンスステージなどが軒を連ね、美しい海とジャマイカの人間模様が同時に観察できた。


いたるところでレゲエの音楽が流れていた。僕の好きなボブマーリーの『No Woman, No Cry』をみんなで歌っているライブの前では、少し立ち止まり一緒に口ずさんでみたりもした。

 

多くの人とすれ違った。
「コンニチワ!」と日本語で話しかけてくる少年、僕に空手の型を取りながら近づいてくるおじさん。


公衆トイレでは、用をたして外に出た瞬間に、
初老の女性が突如あらわれ、「ここ使ったんだから1ドル払え」って要求されたりもした。


陽気なお土産売りからイヤリングを買った。


日本の友達へのお土産だと話すと、俺の手作りのお土産が地球の反対側まで運ばるということにとても感心している様子だった。


突然現れた犬と戯れたり、誰かが作ったワニ形をしたの砂の造形に驚いたりしながら、 一歩一歩を進んでいった。

 

夕日の時刻はとうに過ぎ去り深い闇が僕たちを包み始めていた。

 

星の形をした電灯と「RESPECT」と書いたフラッグのあるところで、来た道を引き返すことにした。


ターニングポイントとしてふさわしいと思った。


RESPECT!!


ジャマイカ人は挨拶代わりにこの言葉を使ったりする。

 

夕日を見れなかったのは、僕にとっては幸運なことだったと考えよう。


世界一のネグリルの夕日を見るために、いつの日かジャマイカをもう一度訪れる理由ができたからだ。


ものの捕らえ方によって、世界はガラッと変わる。世界とは大げさかもしれないけれど、人生の色は確実に変わる。