ジャマイカ旅行記11 - 父親の前でディープキス -

ダンズ・リバーフォールをあとに結婚式へ向かうことに。 結婚式の開始時間は午後3時。
まず最初に新郎の住む家に行くことになっていた。


しかし簡単な住所しか控えていなかったため、
一時間以上住宅街を迷うことになる・・・。
知らない人の家を訪れるたびに強面なおじさんやらヤンキー風のにーさんが出てきて「なんだお前?」的な態度をとる。


これはけっこう危険なことをしているなーと途中で気づく。不審者と思われて銃で撃たれるような事件も起こりかねない。


迷いに迷い、途方にくれているところへ突然声がかかった。「さあ、早く行こう!」
車で通りかかった、いかにも優しそうな黒人が言った。


Billと名乗るその男は、新郎の友人で、僕たちを新郎の家へ車で連れて行ってくれた。ほっと一安心である。
(小さいカナダ人とおかしな東洋人のコンビはジャマイカでは珍しい存在で、割と目立っていたから探しやすかったのだろう)

 

家に着くと、ネクタイの結び方がわからないという新郎のために僕がタイを結んでやったり、
次々に集まってくる家族やその親戚と自己紹介をしているうちに時間はあっという間に過ぎた。


式場は新郎の家から歩いて3分ほどのところにある海の見える公園。こんな素敵な場所を見せられたら、誰だって一度は結婚してみようかなって考えるだろうと思った。

 

二人は、誰が何と言おうと幸せそうだった。新郎のジュニアはジャマイカ人。新婦のスーザンはカナダ人。


ジュニアはジャマイカで料理人をしている。人柄の良さが顔ににじみ出ていて、初対面でもすぐに打ち解けてしまうような不思議な魅力を持つ男だ。


スーザンは、一言で表現するならば、"強いたくましい女性"だ。彼女のこれまでの人生経験が強い性格を作り上げたのか、生まれ持った性格ゆえに波乱万丈な人生を送ってきたのかはわからないが、とても強烈な個性を放つ女性だ。

 

結局1時間半遅れてスタートしたセレモニー。
みんなで歌い、笑い、語り合った。
常に笑顔があふれ、工夫と手作り感がいっぱい。お互いの家族同士が新しく繋がり、一つとなった家族の絆を確かめ合い、そして祝福していた。

 

で、お約束のキスの場面では、 最初は照れていた二人だったが、みんなに急かされ、スイッチが入ると、 もう止まらない止まらない・・・


こっちまで心臓がドキドキしてしまった(笑)
しかし、スーザンの父親が、ディープなキスの場面でふっと目をそらし、「ヤレヤレ見てられないよ」って感じで、僕にあれやこれやと話し掛けてきた。


娘を持つ父親の気持ちは万国共通なんだなーと微笑ましかった。

 

結婚した二人はもちろんだが、誰もが幸せな空気に包まれたこの場所に立っていることに心の底から感謝していたと思う。


会ったこともない僕を招待してくれたジュニア&スーザンありがとう!